エルサレムで主夫はじめました

~~~~~~~~ 30年間のサラリーマン生活から早期退職をして、イスラエルのエルサレムに家族で住み、主夫をはじめました。 ~~~~~~~~~~~~~~インターナショナルスクールに通う子供たちの様子、イスラエルとパレスチナの日常、主夫の心境などをつづります。 内藤 徹~~~~~

#7 東エルサレムから見る景色、フットサル@パレスチナ

子供の通う学校は幼稚園から高校までで300人規模。

日本人は6人いるけどみんな男の子で、英語が話せず女子好きのムスメにはまだ楽しく一緒に遊べる子がいない。

来て間もなく行った日本文化イベントで会った日本人とパレスチナ人のハーフの女の子とまた会いたいね、ということで、お母さんに連絡して金曜午後に家族で会うことに。


エルサレム旧市街前のノートルダムホテルの屋上レストランに遅れて着くと、嬉しいことにエレベーターの前で女の子が待っていてくれた。

すぐ気の合った2人は、テンション高くずっと仲良く遊び続けていた。

屋上からは旧市街が一望できる素晴らしい景色。

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大人もゆったり話をしながら遅いランチ。


その後は、我が家に場所を移しゆっくり過ごす。

「豚とお酒の入ったみりんや料理酒はイスラム教だからダメだけど、日本食は大好き」というので、こちらで手に入れた材料で作ったラーメンを夕飯に出すと、みんなたいらげでくれた。


パレスチナ人と結婚したその女性は、うちの妻とパレスチナの歴史と現在の残念な状況について延々語り合う。

よく知らない僕は時々基本的な質問をしながら、少しずつこの地の複雑な状況を理解していく。


例えば、イスラエル国内のアラブ人には4種類いてIDが違い、立場も違い、移動の制限も異なるとか。


①ラマッラを含むパレスチナ自治区ヨルダン川西岸に住むパレスチナ


パレスチナ自治区ガザに住むパレスチナ

 

エルサレムに住むパレスチナ


西エルサレムを含むユダヤ人が主に住む地域に住むイスラエリアラブと言われる人


で、そのカテゴリーによって複雑な移動の制限がある。

例えば、西岸に住む人はパレスチナ人が主に住む東エルサレムにすら許可がないと行けないとか。

エルサレムの人は西岸には入れるのに。

でも、仕事で西岸からエルサレムに来る人はたくさんいる。


この間ラマッラに行く時に僕らが通った検問所は外交車用の特別な検問所だったようで、普通の車は別の検問所を使うらしい。

で、特にパレスチナ側からイスラエル側に出るところはチェックも厳しく、渋滞で一時間半とかかることもあるらしい。


「子連れで行った時に検問所で一度催涙弾が飛んできてムスメがパニックになったこともあったんですよ。だから、西岸にはあまり行きたくないんですよね」なんてことも言っていた。

西岸は基本的に落ち着いているけど、パレスチナ人同士のケンカやら、イスラエル兵との小競り合いはそれなりにあるらしい。


「旧市街の入り口で事件があったこともあった。実は若者が急にイスラエル兵に取り囲まれて不審者扱いされて、ライフルで打たれたようなこともあったのよ。」なんて話も聞いた。


安全な所に行ってるだけで、西岸は決していつでもどこでも安全です!という訳ではない、ということね。そして、起きている事件もなかなか複雑なものらしい。

 

と言いつつ、土曜は西岸のラマッラで大使館の方々に誘われてフットサル。

イスラエル日本大使館はテルアビブにあり、さらにラマッラにはパレスチナに対する日本政府代表部ってのがある。

 

単身で海外で仕事をしている時は、日本人同士のイベントは時に面倒だったけど、仕事もなく子ども連れの身には本当にありがたい。

子どもは安心して遊べるし、いろいろ生活情報教えてもらえる。


サッカーグランドは人工芝の立派なもの。

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体力のないおじさんたちは、サッカー場をフットサルの大きさに狭め、5対5で、6分1ゲームの試合を休み休み繰り返す。

疲れて筋肉痛も心配な年長組みの自分は、後半はキーパーに専念。

サッカー経験者のムスコが何本もシュートを決めていい調子。


その後は、ラマッラの青山通り的な場所にあるJasmine Cafeというレストランでランチ。

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富裕層のパレスチナ人もおり、エルサレムよりは安いけど、ピザやパスタが1000円以上するこんな店も人がたくさんいる。

パレスチナには難民キャンプもあるけど富裕層が豊かに過ごす場所もある。

 

帰りには、車窓からイスラエルが作ったパレスチナ地域を走る高速道路の高い壁が見える。

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イスラエルパレスチナとの間には高い壁があり、格差がある。

そして、パレスチナ地域の中には、イスラエルによる物理的な分断があり、さらにパレスチナの中での格差もある。

そんなことを少しずつ理解していっている。